「さあ、出発だ!」
ファエトンが無理に父親である太陽神ヘリオスからねだって借りた黄金の馬車はゆっくりと動き出しました。
ところが、この馬車を引く4頭の天馬たちは乗り手がヘリオスではないと気付くと、天の道を離れ勝手に走り出してしまったのです。
この馬車は太陽神ヘリオスの馬車。炎の馬車なので天界に大火災が起きてしまいました。
たくさんの神が火傷をし、地上では火山が噴き出し、砂漠ができ、雲さえも赤く焼けこげてしまいました。

これに驚いた大神ゼウスは、このまま放っておいては大変だと、雷電の矢を放ち、炎の馬車を打ち砕いてしまいました。
ファエトンはそのまま流れ星のように、真っ逆さまにエリダヌス川に落ちていったということです。