牡牛座はオリオン座のすぐ隣にあります。
まるでオリオンに挑みかかるような姿なのです。

フェニキアの王の娘のエウロパが海辺で草つみをしていると、真っ白な牡牛がどこからともなく現れてエウロパのすぐ側でうずくまりました。
エウロパはおとなしそうな牡牛に気を許してしまい、その背中にそっと乗ってしまいました。
すると、牡牛は身を翻して一目散に海の中へと走り込み、波の上をまるで地面を踏むように沖へ沖へと出て行ってしまいました。
驚いたエウロパは、牡牛の角にすがりつき、どんどん遠ざかっていく浜辺に向かって助けを求めましたがどうする事もできません。
ようやく我に返ったエウロパは、白い牡牛に「あなたは私をどこに連れて行こうというのですか」と訊ねました。
すると牡牛は優しくこたえました。
「私は大神ゼウスである。お前を花嫁にするのだよ」
こうしてゼウスの化身である白い牡牛とエウロパはクレタ島の海岸に着き、ゴルテュンの泉の側で結婚しました。
ヨーロッパという名前は、エウロパが上陸した地という意味で名付けられたのだそうです。